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Hitachi

タブレット利用による
設備点検管理システム

概要

現在、多くの各種設備を所有している工場などでは、いまだに紙ベースで点検をしています。
そのような中で、ほとんどの企業では、IT化、IoT環境への推進を進めており、設備点検において安価で導入できる高機能タブレットを利用した点検記録を行おうとしています。「タブレット利用による設備点検管理システム」は、タブレットを利用した汎用的な仕組みで多くの設備点検に利用できます。
通常であれば、データベースの設計やフォーマットに準拠するように環境を構築することが必要になりますが、本システムでは、データベースの設計などの開発が不要で、自由に点検の項目を定義することができます。また、利用しながら複数の設定(フォーマットを含む)が可能です。その柔軟性によって、設備点検に限らず、多くのシーンで利用ができ、使い方は、お客さまのアイデア次第で、利便性を図ることができます。保全業務はもちろん、検査結果データに基づいた二次的利用も可能になります。CADで作成したモデリングデータを画像化して、検査の詳細情報として利用することや、PDM、PLMのノウハウを検査内容として、登録することも可能です。

特長

多くのシーンで利用可能な汎用化システム

概要図:タブレット利用による設備点検管理システムの汎用性

  • 分野、業務にとらわれない自由な設定に加え複数設定の共存が可能
  • 従来の点検記録から臨時点検・情報収集・店舗実績・アンケートを一画面で参照可能
  • 現場の記録業務にタブレットを使用することで、ペーパレス化。IT改革のスタートのきっかけを作ることができる
  • 点検フォーマット(複数)に依存しない汎用的な登録が可能(標準化の推進)
  • タブレットを利用した点検業務の改革で作業の効率化と作業品質の向上
  • データベースによる検査結果データの一元管理とデータの整理
  • 蓄積した検査結果から二次利用が可能(データ分析・設計、製造へのフィードバック)

テンプレートの設定と点検記録画面での容易な操作性

概要図:プレートの設定と点検記録画面での容易な操作性

適用分野

  • 設備点検業務
  • 情報収集業務

システム構成例

設備点検管理システムの標準構成

  • システムとしてのデータベースサーバー(PC可)やタブレット端末が必要となります。
  • データベースサーバーとタブレット端末は、通信環境が必要です。(Wi-Fi、VPSなど)
  • データベースサーバーに加えクラウド利用も可能です。
  • 台数などに制限はありませんが、データベースサーバー1台、タブレット端末10台までを標準構成としています。(端末2,000台以上の実績あり)
  • 標準構成で各種点検などの業務に利用可能です。(固有の構築が必要な場合にはカスタマイズが可能です)

概要図:設備点検管理システムの標準構成

※ダウンロードデータおよび記入・写真データはタブレット端末に記録されます。

設備点検管理システムの機能

  • 標準機能で、当該業務に合わせた設定ができます。
  • 従来のチェックシートなどのフォーマットをテンプレートとして複数定義できます。
  • テンプレートを点検(検査)シートとしてコピーして利用できます。点検シートからほかの点検シート、テンプレートへのコピーも可能です。
  • 点検シート単位で点検結果が保存されます。
  • 点検シートをタブレット端末にダウンロードして利用できます。
  • タブレット端末では、点検シートに合わせ、統一された画面で表示されますので、作業の標準化が図れます。
  • テンプレート作成時に、各検査項目に設定した形式で検査結果を入力します。(OK/NG、テキスト、数値、日付、テーブル選択など)
  • 点検シート内での入力数値を利用した計算式における結果も、入力結果として利用できます。
  • テンプレートで添付しておいた図面やマニュアルなどの点検で必要な情報を、点検時に確認することができます。
  • 添付の図面などの資料を画面に表示し、コメントを記入した画面を点検結果と一緒に画像として登録できます。
  • 現場で写真撮影ができ、その写真へのコメントなどを記入することができます。
  • 点検終了時には、点検シート単位でデータベースサーバーにアップロードができます。
  • アップロードされた点検結果データや撮影写真、コメント画像は、データベースサーバー側で、検索や表示確認ができます。
  • 従来の紙の検査シートフォーマットのExcel版を設定しておくことで、データベースサーバーから従来と同様の出力ができます。

事例

火力発電所での点検への利用

  • 標準構成の「設備点検管理システム」を利用して点検業務に利用しています。
  • 火力発電所と事務所が隣接しているため、ローカルエリアでのWi-Fi通信で検査シートなどのダウンロード、アップロードをしています。
  • 従来の専用端末での作業に比べ、操作性、視認性に優れたタブレットのため、効率の良い運用ができています。
    また、安価に導入できる高機能タブレットを使用しているため、投資コストの削減が可能です。
  • 同じ端末を利用して、昼、夜の点検が可能なため、端末の購入費用を最小限に抑えることができます。
  • 点検結果が一元管理できているため、必要なデータの集計が容易です。

風力発電設備点検への利用

  • 標準構成の「設備点検管理システム」を利用して点検業務に利用しています。
  • 風況の良い山頂に風力発電設備が多いため、VPN通信を利用して点検シートなどのダウンロード、アップロードをしています。
  • 現場まで、大量の図面などを持ち歩くことができないため、タブレット端末にダウンロードすることで、一つの端末で必要なときに図面やマニュアルを参照することができます。
  • 現地でコメント記入および写真を記録することで、保守作業員が、事務所に戻って報告書を作成する作業が減り、業務効率が良くなっています。

エレベータ点検業務への利用

  • 「設備点検管理システム」と基盤システムを連携して、2,000台規模の端末数で利用しています。
  • 保守作業員は、日々点検スケジュールに合わせて、VPN通信を利用して点検シートなどのダウンロード、アップロードをしています。
  • 通信ができない離島などでの作業を考慮して、必要になる点検シートを常にダウンロードした状態で作業をしています。
  • メンテナンスの記録は、データベースで管理され、検査内容、日付を審査・承認のルートで管理することで偽造防止に役立ちます。
  • 点検業務で使用しているタブレット端末は専用端末ではなく、ほかの業務でも利用可能です。

大型プラントでの点検への利用

  • 大型プラントの点検記録を行うために、業務に合せたシステム環境を構築しています。
  • 紙(記録用紙)を用いた点検記録に代わり、タブレット端末を用いて、点検を記録し、アップロードして一元管理しています。
  • 測定工具と連携することで、測定条件の自動設定や測定結果の自動取得など、記録取得作業の効率化と、誤入力などのヒューマンエラー防止を図っています。使用工具の種類や校正期限のチェックが行えるため、適切な測定工具を使用していることを担保できます。
  • 作業者や点検対象、測定工具は、リストからの選択または、RFID(Radio Frequency Identifier)を利用した仕組みによって識別します。
  • 点検対象の識別によって、対象機器の取り違いを防止し、記録作業の効率化と、信頼性の向上を図っています。
  • 点検後、作業者の手書きサインが必要な場合は、端末上で手書きサインを行い、記録として残せる仕組みにしています。

アイデア利用

図面を利用した現地確認など

概要図:図面を利用した現地確認

【利用方法】

  • 図面を利用した現地確認などに本システムを利用することで、図面などを持たずに現地へ出向き、クラウドから遠隔地で必要な図面の検索表示やダウンロードをすることができます。
  • 現場で図面の表示による詳細情報の確認や現場状況のコメント記入および写真記録ができます。また、クラウドのデータベースを現場で更新することができます。
  • 急な現地確認などが発生した場合などに活用できます。
  • 巡回点検などの必要な場合だけ図面や写真を撮影して、問題を把握、対処することができます。

大型設備付属機器の状況把握など

概要図:大型設備付属機器の状況把握

【利用方法】

  • 電柱などの設備に電灯や無線機などの機器が取り付けられている場合の状況把握を支援する仕組みです。
  • 直接、紙媒体に記入した場合は、タブレット端末からExcelに手入力し、データベースで一元管理します。
  • この仕組みによって、各設備状況が一元的に管理されるため、各メーカーや種類ごとの測定値などの集計の手間が軽減でき、正確な管理が可能になります。
  • 付属機器の情報を基に、メンテナンスなどの発生費用の算出に役立ちます。
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