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Hitachi

技術紹介

鶏糞メタン発酵発電システム

当社メタン発酵システムの代表的な技術についてご紹介します。

アンモニア除去技術の独自開発に成功

窒素を多く含むバイオマス資源の代表例は鶏糞と豚糞です(下表参照)。
当社は、窒素が多いという理由でメタン発酵が難しいとされている鶏糞を原料に、メタン発酵消化液からアンモニアを除去する独自の技術を開発しました(特許出願中)。
従来のアンモニアストリッピング法に比べて、省エネルギーかつ低コストのアンモニア除去方法によってアンモニアを回収し、メタン発酵運転を安定的に継続します。

排水量を抑制し、排水処理のランニングコストを低減

従来のメタン発酵技術では、上記のような高窒素含有資源を原料にする際は発酵阻害を防止する目的で、原料に対して水を2〜3倍加え、 アンモニアの濃度を希釈していました。このため、メタン発酵からの排水量が多くなり、多額の処理費用がかかりました。
当社はこの問題を2つの方法で解決します。

(1)原料を希釈しない(無加水運転)

処理量40t/日のメタン発酵システムの排水量(当社試算値)

メタン消化液からアンモニア除去をするため、原料に水を加えずに運転できます。これで排水量が削減でき、排水処理費用を抑えることができます。

(2)排水を再利用

脱アンモニアによって、メタン発酵消化液に含まれるアンモニア濃度が低減することで、メタン発酵槽からの排水を希釈水として再利用できます。

カーボンニュートラルなバイオマス資源で地球温暖化の抑制に貢献

以下はメタン発酵設備を導入した際の、化石燃料エネルギーとCO2削減量の試算です。
(鶏糞40t/日処理)
従来、鶏糞をはじめとする家畜糞の処理は「堆肥化装置」が主流でしたが、堆肥化処理ではエネルギーを消費するだけでした。 また、温室効果の高い一酸化二窒素の排出が問題とされていました。 メタン発酵設備は、自家消費エネルギー以上のエネルギーを外部供給し(図1:①-②)、年間で5,600tに相当するCO2を削減できます。

図1 メタン発酵システムを導入したエネルギー削減効果(当社試算値)

図2 メタン発酵システムを導入したCO2削減効果(当社試算値)