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従来、バイオマス*由来廃棄物(食品残さ、家畜糞など)は、エネルギー資源であるにもかかわらず、堆肥化などで処理されていました。 そのため、ほとんどがエネルギーとして有効利用されませんでした。当社はこれらの未利用のバイオマス廃棄物に着目し、再生可能エネルギー資源として利用し、 さらに電力などのエネルギーを回収するメタン発酵システムを開発しました。

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バイオマスとは、ここでは生物・植物由来の資源・原料をさします。

特長

鶏糞によるメタン発酵に成功

窒素を多く含むバイオマス資源(鶏糞・豚糞など)は、メタン発酵の過程で窒素はアンモニアに転換します。 その際メタン菌の生育を妨げる発酵阻害が発生してしまうため、メタン発酵の原料として利用することが困難でした。
当社はこの問題を解決するため特許出願中の「アンモニア除去システム」を開発し、メタン発酵の過程で アンモニアを除去し、アンモニア濃度を制御することに成功しました。 これによって、今まで廃棄物として処理されていたこれらの高窒素含有バイオマス資源から、メタンガスをエネルギーとして回収することが可能になりました。

主なバイオマス資源からのメタンガス発生量
主なバイオマス資源からのメタンガス発生量

利点・導入効果

未利用エネルギーの活用

  • 発生したメタンガスを利用して自家発電ができます。
  • 停電/緊急時の非常用電源にもなります。

安定したエネルギー供給

  • 年間を通して調達できるバイオマス資源を利用してエネルギーを安定供給できます。
  • 将来的にはFIT制度(電力固定買取制度)の適用対象となる予定です。(2011年7月現在)

地球温暖化の抑制

バイオマス資源から発生したメタンガスを化石燃料の代替エネルギーとして利用することで、 二酸化炭素の排出量削減ができます。

  • CDM制度(CO2排出権取引)を導入できます。

環境面・衛生面の向上

メタン発酵は嫌気性*発酵のため、悪臭が外部に漏れません。 また、野積みや堆肥化で問題になっていた環境汚染問題も嫌気・密閉処理で軽減します。

  • 悪臭対策
  • 水質、土壌汚染の抑制
  • 害虫(はえ・蚊など)増殖の抑制
  • 大腸菌、病原性菌増殖の抑制
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嫌気性:酸素のない環境

廃棄物の減容化

バイオマス資源は、メタン発酵槽内で有機物を分解してガス化します。これによってメタン発酵からの最終排出物は、堆肥に比べて約40%減容できます。

原材料

  • 鶏糞
  • その他の家畜糞尿
  • 食品残さ、食品加工残さ
  • 農業残さ
  • 排水処理汚泥

熱利用

  • 場内暖房
  • 場内洗浄
  • GPセンターの洗卵