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Hitachi

ガスコージェネレーションシステム

省エネルギー・CO2削減 ・BCP対応

ガスコージェネレーションシステムとは?

コージェネレーションシステムとは、ひとつのエネルギーから電力や熱など複数のエネルギーを同時に得るシステムです。そのなかでも、ガスコージェネレーションシステムはクリーンな燃料である天然ガスを使用しています。送電ロスがなく、電力と同時に発生する熱を有効に利用できるため、高いエネルギー効率を実現します。「省エネルギー」「CO2削減」という用途だけでなく、電源セキュリティの観点からも、その有用性が改めて見直されています。また、固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)や電力自由化を受け、発電事業に参入するため、導入を検討する企業や自治体が増えています。

ガスコージェネレーション

電力需要の抑制やCO2削減に貢献するガスコージェネレーションシステム

省エネルギー効果でエネルギーコスト削減に貢献

ガスコージェネレーションシステムを適用すると、従来のシステムと比較しても一次エネルギーの燃料消費量を抑えることができます。電力や燃料などのエネルギーコストの削減に貢献します。
(以下に、J420 50Hz の例を記載しています。)

従来のシステム

ガスコージェネレーションシステム

CO2の削減で環境負荷低減に貢献

ガスコージェネレーションシステム(燃料:天然ガス)は、クリーンな燃料である天然ガスを使用するため、従来のシステムと比較すると、燃焼時に排出するCO2や窒素酸化物(NOx)が少ないことと、硫黄酸化物(SOx)が発生しないため、環境負荷の低減に大きく貢献します。

CO2の削減で環境負荷低減に貢献

電源セキュリティの強じん化に貢献

ガスコージェネレーションシステムを導入することで、BCP*対応の一環としての電源の多重化が可能になります。万一の停電時にも安定した電力を供給できるため、事業継続に貢献します。停電時には、電力だけでなく熱供給も可能で、あらかじめ落雷などによる停電が想定される場合には、潮流制御による無停電切替にも対応します。

*
BCP: Business Continuity Plan(事業継続計画)

潮流制御による無停電切替

停電があらかじめ想定される場合(落雷など)の対策

  • ①系統連系中

  • ②潮流制御中

  • ③無停電切替

【潮流制御】
②潮流制御中:重要負荷≒発電となるよう発電出力を制御 ③無停電切替:連絡遮断器を解列し自立運転へシフト

サービスの概要

当社は、ガスコージェネレーションシステムの豊富な経験と納入実績を基に、提案から設計・製作・施工・試運転・保守サービスまで、ワンストップでのサービスを行っていて、お客さまの多様なニーズに合わせたシステムを、最適設計で提供しています。全国規模のサービスネットワークで、導入後のシステム変更や改造などもサポートしています。

システム構成例と導入事例

代表的なガスコージェネレーションシステム構成例

Case1

システム構成

システム構成図

排熱回収:蒸気・温水
短評:温水回収率が課題

Case2

システム構成

システム構成図

排熱回収:蒸気・冷水
短評:蒸気以外に、年間を通じて冷水需要があれば有効なシステム

Case3

システム構成

システム構成図

排熱回収:蒸気・冷水
短評:余剰蒸気を冷凍機に供給できるシステム

Case4

システム構成

システム構成図

排熱回収:冷水
短評:排熱を全量、温水に変換し冷水を供給するシステム

Case5

システム構成

システム構成図

排熱回収:冷水
短評:温水投入型吸収冷凍機に比べ効率は高いが、高価

導入事例

商業施設

CO2削減

ガスコージェネレーションシステムの排熱を有効利用したシステム

機種:J320(920 kW×6台)
発電出力:5,520kW

<導入効果>
  • 電力の 40%、冷房の70%をガスコージェネレーションシステムで賄い省エネを実現
  • CO2削減

空港

CO2削減

燃料を油から都市ガスへ転換し、ガスコージェネレーションシステム導入でCO2削減

機種:J620(2,430kW×2台)
発電出力:4,860kW

<導入効果>
  • 施設で利用する電力の30%をガスコージェネレーションシステムで発電
  • CO2削減

工場

バイオガス
活用

固定価格買取制度(FIT)を活用したバイオガス発電

機種:J316(585kW: 60Hz×2台)
   J320(735kW: 60Hz×1台)
発電出力:1,905kW

<導入効果>
  • 余剰分のバイオガス総発生量を有効活用して発電

ガスエンジンの特長

ガスコージェネレーションシステムは、電気・排熱の発生源である発電装置の効率がシステムの全体効率を左右するため、その選定の際には、高効率な製品を採用することも重要項目の一つとなっています。当社が納入する発電装置は、創業60年を超えるガスエンジン専業メーカー”INNIO Jenbacher”社ガスエンジンを採用した発電装置です。同社は、オーストリア共和国・チロル地方に本社工場を置き、世界に年間約1,200台のガスエンジンを出荷する、実績のあるメーカーです。

Jenbach/Austria

豊富な実績

INNIO Jenbacher社は、世界で23,000台・33,000MW以上の豊富な納入実績*を持つガスエンジン専門メーカーです。

*
2022年3月現在

多様な燃料に対応

INNIO Jenbacher社のガスエンジンは、天然ガス(都市ガス13A)だけでなく、継続的に調達できる間伐材などの木材をガス化した、非天然ガス(再生可能エネルギー)でも運転できるため、脱炭素社会の実現に貢献します。また、メタン発酵ガスと天然ガス(都市ガス13A)との混焼運転が可能なことから、メタン発酵ガスの発生量減少時にも電力と熱の安定供給を実現します。さらに、希薄燃焼方式の採用によって、窒素酸化物の発生を抑制することで、環境負荷の低減にも貢献します。さらに、国内の実証試験プロジェクトに水素混焼ガスエンジン発電設備を導入するなど、次世代燃料として期待される水素への対応を進めています。今後、水素専焼ガスエンジン発電設備の提供をめざし、開発を進めています。

水素燃料への取り組み

高効率・コンパクト・高耐久性

ガスコージェネレーションシステムは、電気と熱エネルギーをバランスよく回収して総合回収率をアップできるよう、ガスエンジンとしての最適設計が採用されています。コンパクトで軽量、省スペースを可能にしていて、スパークプラグだけでの点火が可能で、補助燃料が不要。同時に、オーバーホール周期80,000時間*を達成するなど、長寿命化も実現しています。
JMS420 [周波数:50Hz(出力1,271kW)、周波数:60Hz(出力1,000kW)]については、当社従来比で設置面積を20%削減しました。

*
TYPE6を除く

ガスコージェネレーション

ガスコージェネレーション

ラインアップを見る

予兆診断機能の追加

当社独自の予兆診断ソリューションによって、従来の「故障してからの事後保全」から「故障する前の予防保全」を実現しました。また、従来と比較して、状態監視用センサの種類を3倍以上に、サンプリング周期を30分の1にすることで、詳細なデータの収集を可能にしました。データマイニング機能を追加することによって、詳細なデータ解析を行うことで診断精度の向上を図っていきます。

※これらのサービスには、インターネット光回線が必要です。

しきい値判定機能とは:レベル検出、変化率などを検出

人が考案した入力条件に従ってレベルや変化率などを検出可能

(経験・知識を検出条件とし、検出・分析機能向上を図る)

データマイニング機能とは:学習データに基づき状態変化を検知

統計的データ分析手法を活用することで、
人の知識を必要とすることなく状態変化を検知可能

(人が予測困難な検出を期待)

  • センサデータ、解析結果データ格納
  • 予兆診断アルゴリズム実行

監視項目(例)

予兆診断ソリューション 詳しくはこちら

保守サポート

全国にサービスネットワークを展開し、お客さまのニーズに合わせた柔軟な保守サービスをご用意しています。また、遠隔監視・支援センタで、発電設備の障害情報を自動受信することが可能です*。当社の保守サービスで培ったOT(制御・運用)のノウハウと、ITのアナリティクスを融合した予兆診断ソリューションでは、適切なタイミングでの点検による保守コストの削減や、機器の故障による長期停止などを回避することによって、設備の安定稼働をサポートします。

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遠隔監視のご利用には、インターネット光回線の接続が必要です。


遠隔監視・支援センタ 24時間365日受付


保守部品管理システム 迅速な保守対応