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Hitachi

水素燃料への取り組み

概要

2050年までにカーボンニュートラル*の実現(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を打ち出している日本では、この目標達成のために、次世代エネルギーの一つである「水素」にも注目が集まっています。

水素は、製造方法別に以下のとおり色で区別されます。

  • グリーン水素:再生可能エネルギーで水を電気分解して生成
  • ブルー水素:化石燃料などから生成し、製造段階で発生する二酸化炭素(CO2)を大気に排出する前に回収
  • グレー水素:CO2を回収せずそのまま大気中に放出

現在、脱炭素社会に向けて、利用段階だけでなく、製造工程でもCO2を排出しないグリーン水素とブルー水素の普及が求められており、それらは環境負荷低減とエネルギーセキュリティの両面で将来性があります。
当社は、早くから水素燃料に着目し、2020年には国内の実証試験プロジェクトに、混焼率50vol%の水素混焼ガスエンジン発電設備を導入しました。
天然ガス専焼運転と比較すると、天然ガスvol50%・水素50vol%運転時には、CO2の約20%削減を実現しています。 また、天然ガス専焼のガスコージェネレーションシステムに容易に追設可能な水素混焼ユニットや800kW級の水素専焼ガスエンジン発電設備を提供しています。 水素を燃料としたガスエンジン発電設備の提供によって、お客さまのカーボンニュートラルへの取り組みをサポートしてまいります。

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カーボンニュートラル:
バイオマス(有機性廃棄物)も燃焼するとCO2を排出するが、そのCO2は植物などが成長する過程で、大気中から吸収したものであり、全体のCO2の量は変化しないという考え方。

水素混焼ユニット

発電出力500kW~1,300kWの当社製ガスコージェネレーションシステムに追設可能な水素混焼ユニットを販売しています。

水素混焼ユニット外観
水素混焼ユニット外観

水素混焼ユニット設置イメージ図
水素混焼ユニット設置イメージ図

1. 既設のガスコージェネレーションシステムに水素混焼ユニットを容易に追設可能

当社製ガスコージェネレーションシステムを所有しているお客さまは、既設のシステムに大幅な改造を行うことなく、容易に水素混焼ユニットを取り付けることが可能です。これによって、既設品の有効活用と段階的なカーボンニュートラルの実現につながります。また、新たに導入をご検討されているお客さまには、当社製ガスコージェネレーションシステムと水素混焼ユニットを組み合わせたパッケージ販売もご用意しております。

2. コンパクトかつ保守点検が容易な設計

水素混焼ユニットは、設置面積が小さく限られたスペースでも追設できるコンパクトな設計が特長です。そのため、他の設備レイアウトへの影響が少なく、既存の施設の運用を妨げることなく導入することができます。また、保守点検が容易な設計を採用しています。

3. 運転モードの柔軟な切り替え

水素混焼運転を行わない場合には、従来通りの天然ガス専焼運転を行うことができます。また、必要に応じてお客さま側で液晶タッチパネルを使用し、水素混焼運転と天然ガス専焼運転を切り替えることが可能です。

水素供給条件は、純度:99.9%以上、圧力:15~20kPaG、温度:40℃以下です。本条件に調整するための水素減圧ユニットや水素計測用流量計などについてもオプション対応が可能です。
また、システム構成についても、柔軟に対応が可能です。

導入事例

株式会社 安藤・間(呼称:安藤ハザマ)様

ものづくりを通して新たな価値を創造し、豊かな未来の実現をめざす総合建設会社の安藤ハザマ様は、次世代エネルギーマネジメントシステムの構築・運用をめざす実証試験プロジェクトとして、「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクト」*に着手されています。そのプロジェクトの一つとして、当社は水素混焼ガスエンジン発電設備を導入し、供給するエネルギーのCO2削減に貢献しています。

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「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクト」の詳細は、以下をご参照ください。(安藤ハザマのホームページに移動します。)
URL : https://www.ad-hzm.co.jp/info/2020/20200313.php

お客さまの技術研究所

CO2
約20%削減

混焼率50%の水素混焼ガスエンジン発電設備

機種:J312(水素混焼ガスエンジン発電設備×1台)
発電出力:天然ガス専焼    550kW
     水素/天然ガス混焼 275kW

<導入効果>
  • 天然ガス専焼運転だけでなく「水素」との混焼運転が可能
  • 水素混焼で従来のコージェネレーションシステムよりも「CO2削減」に貢献


水素混焼ガスエンジン発電設備


システムフロー図