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当社が持続的に成長し続けるためには、当社で働く一人ひとりが高い意欲を持ち、新たな挑戦を続けることが重要です。
そのためには全員参加の「働き方改革」が不可欠。トップのリーダーシップと職場からのボトムアップの両輪で生産性の向上に努め、ワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでいます。
今回は、仕事と育児を両立するための働き方を実践している従業員を紹介します。

Case1 2人で決断した働き方と暮らし方


清野 彩乃
資材調達本部
電力・産業機器調達部
電力産業機器資材第3グループ

清野さん夫妻に長女が誕生したのは2015年のこと。彩乃さんは1年1か月にわたる出産休暇(以下、産休)、育児休暇(以下、育休)を取得したという。休暇中も家事と育児を2人でシェアしてきたが、復職時には、さまざまな困難があったそうだ。
「復職直前は、産休、育休前のハードな仕事を思い出し、両立に対するプレッシャーがありました。復職後すぐに担当業務が変更になり、出張や残業は減ったものの、職場では新たな業務と新しい人間関係の構築が思った以上に大変だったり、また家では子どもの夜泣きでまともに眠ることができなかったりしたことから、体調を崩してしまいました」と話す彩乃さん。

それでも仕事と育児が両立できるのは、周囲の理解と協力があったからだという。
「育休中に上司や後輩から職場の状況を教えてもらったり、復職後の全体朝礼で上司から『お子さんを優先した働き方となりますので協力してください』と周知していただいたりと、育児中の従業員とも一緒に働こうという心遣いは本当にうれしかった。他部署や取引先の方からも子どもの様子を気にかけていただけると、1人じゃないという心強い思いでモチベーションが上がります」


清野 洋平
電力プラントサービス本部
電力プラントメンテナンス部
GT定検設計グループ

そんな彩乃さんから、大きな学びがあったと洋平さん。「復職前のプレッシャーを知っていただけに心配でしたが、今は本当に楽しそうに働く姿を見て安心しています。ハードに働くことだけではなく、限られた時間をうまく使いながら仕事と育児を両立させていくこともキャリア形成につながると、妻の働く姿から教えられました」

仕事と育児の両立を選択した2人は、その選択時に働き方を変える決断もしたという。洋平さんは「何が起こっても就業時間内で結果を出すと決めました。毎日最大限にアウトプットできるように、書類やデスク周りを整理し、仕事のしかた、コミュニケーションの取り方など小さなことも見直しました。特に仕事のしかたでは、すべきことに優先順位を付け、それを可視化して管理するようにしたところ、急な依頼にも落ち着いて対応できるという効果がありました」と話す。

2人に、これから仕事と育児を両立したいと考えている皆さまへのアドバイスを聞いてみた。
「大切なのは意識改革です。家庭は妻が、職場は夫がメインで、どちらかがそのサポートという意識があると、両立は難しいでしょう。“指示待ちはダメ”とよく仕事で言われますが、家庭でも同じ。どちらかの指示を待つのではなく、積極的に動く。動き方が分からなければお互いに教え合っていくことで、人としても親としても成長できると考えています」と彩乃さん。洋平さんは「夫婦で仕事と育児を続けていくためには、二つのポイントがあると思います。一つは家事を2人でやっていくこと。職場には助けてくれる仲間が多くいますが、家には2人しかいないのです。もう一つは、家事すべてを完璧にやろうとしないことです。7割ぐらいで“ま、いっか”と割り切れる気持ちでやれば、負担にならず長続きすると思いますよ」と笑顔で話してくれた。

Case2 重要なのは”できる方法”を考えること


松澤 信幸
機械システム本部
経営企画センタ

小学1年生と3歳の2人の男の子に恵まれた松澤さん夫妻。2人で育休を取得し、2人で仕事と育児を両立するために働き方を見直したと話す。
「出産を機に、会社を辞めようと思ったことは一度もありませんでした。ただ、身近にロールモデルがいなかったので、長男を授かったときは、他社の友人から情報を得て、まずはやってみようと育休を取得しました」と当時を振り返る桃子さん。産休を経て、長男のときに1年半、次男のときに8か月の育休を取得した。

信幸さんは、次男を授かったときに育休の取得を決断。その背景には、長男の育児が桃子さん主導だったことが大きいようだ。すぐ隣でフル回転する妻から徐々に家事や育児を依頼されていくうちに「もし、次に子どもができたら育休を取りたい」と思うようになったそうだ。
「育休を取得するために、仕事や家庭のことを夫婦でじっくり話し合いました。職場の仲間に伝えると、“えー!”という感じで賛否両論でしたが、上司は理解してくださいました。本音を言うと、男性が育休を取得した前例を知りませんでしたし、当時は残業も多かったため、なかなか言い出せない状況でした。それでも“育休を取るなら強い意志で動いた方がいい”と周囲の応援が背中を押してくれて、この経験は今しかできないし、絶対にプラスになる!と考えて決心できました」。そして、桃子さんの職場復帰と同時に、今度は信幸さんが育休を取得した。


松澤 桃子
新エネルギー本部
発電事業推進部
発電事業グループ

育児をしながら働き続けるコツを、2回の産休、育休を経て復職した桃子さん、父親として育休を取得した信幸さんに聞いた。
「仕事に対して自分で限界をつくらないことでしょうか。仕事のために割ける時間は決まっています。その中でどれだけできるかの実績を積み重ねていくことで、任される仕事が増えていくと思います。もしかしたら業務内容は希望するものではないかもしれませんが、“できません"ではなく、一つひとつ丁寧に時間内に完結できるよう、効率のいい方法を考えていくことも大切だと思います」と桃子さん。
信幸さんも「限られた時間の中で業務を遂行するために、ToDoリストをつくり、期限を記入しています。どのようにすれば期限に間に合わせることができるのか、仕事の合間に効率も考えています」と、できる方法を考えることが重要だと話す。

最後に、仕事と育児を両立したいと考えている後進たちに、信幸さんは「働き方改革の推進、定時退社の推奨など、仕事をする環境が変わりつつあるのと同時に、育休取得を応援してくれる人も増えてきています。育児は、その時にしかできないことです。夫婦で協力すれば、きっと両立できると思います。ちなみに次も育休を取ります」と、桃子さんも「今、仕事と育児の両立で不安がないのは、夫婦で一緒に協力し合える体制が整っているから。ぜひ家族で前向きに考えてほしい」とエールを送った。
なお、2017年7月、第3子となる男の子が誕生した松澤さん夫妻。信幸さんは本インタビューで宣言したとおり、自身2度目の育休を取得した。

人事総務本部 総務部 部長 根本 文則

当社は、従業員が多様な働き方を選択できるよう、さまざまな制度の整備に努めています。しかしながら、制度だけでは働き方を変えることはできません。従業員一人ひとりが意識を変え、知恵を出し、職場の仲間と協力しながら施策を実践していくことが大切です。
今回、話をしている従業員夫妻は、制度を活用しながら自身で働き方を見いだし、実践してきた、いわば働き方改革の“先駆者”です。一人でも多くの従業員が充実したワーク・ライフ・バランスを実現し、誰もが生き生きと働くことができるような職場環境づくりを推進していきます。

人事総務本部 総務部 部長 根本 文則