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Hitachi

概要

工場や発電所には、さまざまな設備が導入されています。
長期安定稼働が求められるこれらの設備は、予防保全や健全性維持の観点から、リアルタイムな状況把握が必須です。
しかし、メーカーごとに管理システムが独立しており、管理情報の一元化が困難でした。
近年では、インターネット上の情報の活用、システム保守管理の容易化やユーザー端末のマルチプラットフォーム化を目的に、Webシステムによる構築も求められていましたが、 データベースを介した従来の管理システム構造では、設備の障害情報やアラーム情報などをリアルタイムに取得できませんでした。

これを解決するのが当社のデジタルダッシュボードソリューションです。既存設備からの情報の統合に加え、IoTやM2M環境からの多種多様な情報も、メーカーに依存せずWebシステムで一元管理できます。
稼働状況もリアルタイムに表示できるため、効率的かつ効果的な管理・保全業務はもちろん、最新データに基づいた迅速な経営判断も支援します。

インターフェース部の仕様確認や改造が必要な場合があります。
  • OT:Operation Technology
  • M2M:Machine to Machine

特長

一元管理でリアルタイムな情報共有を実現

(株)日立製作所が開発した情報一元管理技術を活用することで、複数の設備の稼働状況を集約し、経営層から設備管理者、保守作業者までが同一の情報をリアルタイムに共有できます。

特許第4758214号

継続的なカスタマイズにも柔軟に対応

可視化のインターフェースにWeb技術を採用し、さまざまな種類のユーザー端末で利用できます。また、インターネットから入手した外部情報とも組み合わせが可能です。 さらに、設備や機器の追加、リプレース時にデータ収集・配信に関わるシステムやデータベースなどの改修が不要なため、継続的に使用できます。

保守メーカーのエンジニアリング力を発揮

設備の保守メーカーでもある当社は、多くの管理・保全業務の実績とノウハウを蓄積しています。これを生かし、システム開発の要件定義の段階からエンジニアリング力を駆使し、お客さまの業務に適切なコンテンツを提供します。

一元管理の仕組み(右図)

本技術では、企業が設備に取り付けたセンサーの情報を、構造化した識別子でID化します。これによって、異なる階層にある設備でも、稼働状況を一元管理してリアルタイムに表示できます。

適用分野

  • 各種工場
  • 設備保守企業
  • 保守システム開発企業
  • 太陽光発電施設
  • 風力発電施設
    ほか

システム構成例

従来技術によるシステム構成例(As-is)

  • 設備毎に独立したサーバーやユーザー端末が必要となります。
  • 表示情報は、要求に対する応答として取得するため、レスポンスは要求周期に依存します。
  • 表示情報の種類や監視周期は、データベースの仕様に依存します。このため、設備や機器の追加やリプレース、情報の収集周期の変更などによる改修が必要となります。

従来技術によるシステム構成例(As-is)

当社デジタルダッシュボードによるシステム構成例(To-be)

  • 収集周期が異なるセンサーの情報や、状態変化時やアラーム発報時の非定期的な情報を、IDとセットで逐次サーバーで受信します。
  • サーバーでは、ユーザー端末の表示定義情報を基に、表示に必要なIDを判断し、必要な情報のみを各ユーザー端末に配信します。 このため、データ要求や一括配信などが不要となり、レスポンスの向上と、通信量の削減を図ることができます。
  • サーバーは、データベースを介することなく情報の収集と配信を行うことができます。このため、設備や機器の追加やリプレース、情報の収集周期の変更などによるデータベースの改定が不要となります。

当社デジタルダッシュボードによるシステム構成例(To-be)

事例

風力発電設備の稼働状況監視システム

課題

  • 振動や温度のデータ、接点情報など、サンプリングの周期や更新頻度が異なる設備情報をリアルタイムに把握したい。
  • 一つのシステムで管理するためには、データの種類に応じたデータベースや通信プログラムの構築が複数必要になってしまう。
  • リアルタイムに表示するためには、端末からサーバーへの頻繁な参照処理も必要になる。

解決

データベースへの情報格納周期や端末からの値参照周期に依存せず、センサーから値が送信されたときのみサーバーが受信し、設備情報を必要としているユーザー端末にプッシュ通信でリアルタイムに配信します。 モバイル端末を利用すれば、設備管理者と保守員との間で最新情報を共有しながら、効率的かつ効果的な保守も実現できます。

遠隔監視・支援センタによるリアルタイム監視

課題

  • 生産現場の設備は、メーカーが異なる複数の設備から構成されることもあり、情報の一元化が困難で、全設備の稼働状況の把握・比較に手間と時間がかかっている。
  • 稼働状況をリアルタイムに把握できず、障害発生時の対応にも時間がかかってしまう。

解決

デジタルダッシュボード技術と遠隔監視・支援サービスを連携させることで、遠隔からのリアルタイムな設備の監視と稼働状態の把握を実現します。 当社センタの24時間監視によって、生産設備の状況把握を任されている設備管理者の的確な作業指示や迅速な障害対応に貢献します。設備異常発生時には、保守員の派遣も可能です。

画面例

メータ表示画面

メータ表示画面

地図連携画面

地図連携画面

トレンド表示画面

トレンド表示画面

作業要領・進捗共有画面

[動画]作業要領・進捗共有画面
(mp4形式)

グリッドコントロール・モニタリング画面

グリッドコントロール・モニタリング画面
(mp4形式)

データに関する表示

  • 地図データ:国土地理院地図(電子国土Web)(http://maps.gsi.go.jp/)から該当地域の電子地形図(タイル)を取得し、画面の一区画に表示しています。
  • 気象データ:気象庁地域時系列予報(http://www.jma.go.jp/jp/jikei/)から該当地域の気象情報を取得し、画面の一区画に表示しています。