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Hitachi

再生可能エネルギー

持続可能なエネルギーによる
脱炭素社会の実現をめざして

2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」や、日本政府が閣議決定した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」における最終目標として、脱炭素社会の実現が掲げられています。私たちは、風力・太陽光発電システムや蓄電池システム、ガスコージェネレーションシステムの導入支援で培った技術とノウハウを基に、温室効果ガスの削減に貢献。再生可能エネルギーの普及・拡大を通して、この地球規模の目標実現に取り組んでいます。

事業化計画から保守サービスまで、
風力発電の一貫したソリューション

風力を効率よく電力エネルギーとして活用するためには、導入予定地域の風量や風向きなど自然の条件、送・配電線路などの社会条件、またエネルギーを使用する地域の規模などの確認が必要です。当社は、風力エネルギーを効率よく電力エネルギーに変換するシステムの構築はもちろん、風力発電の事業化計画のための調査や策定などの導入前支援から、導入・運転・保守までのソリューションをワンストップで提供しています。

風力発電ソリューション

地域への思いを未来へつなぐ風力発電事業を多角的なサポート体制で推進

風の松原風力発電所(秋田市能代市)

お客さまの課題

  • 発電事業に参入したいが、サポートが必要
  • ファイナンスの確保が困難
  • 信頼性のある風力発電システムを選びたい

提供価値/導入効果

風力発電事業のワンストップサービス

私たちの風力発電事業は、設備だけを売る“単体のモノ売り“ではありません。事業化計画からファイナンス組成の支援、環境アセスメントなどを含めた地点開発、発電設備の建設や運転開始後の管理、稼働率保証を含めた保守サービスまでワンストップでのソリューションを提供し、事業者にとっての“困りごと”の解決をお手伝いします。

信頼性の高い風力発電設備 

当社は風力発電の創生期である1997年から、ドイツ連邦共和国ENERCON社製の風力発電設備を取り扱い、共同でビジネスを展開しています。低騒音で発電効率および落雷耐性が高い本製品は、当社の出力変動緩和制御技術を活用することで、出力の変動を蓄電池で緩和し、系統への影響が少ない電力供給を実現します。

高い技術力と信頼性で、国内最大級の風力発電システム保守サービス

脱炭素社会の実現に向け、風力発電システムの導入が進んでいます。一方で日本市場では、風力発電システム関連メーカーの撤退が相次いでおり、既設の風力発電システムの保守を担う企業の減少が課題になっています。当社では、これまで培ってきたENERCON社製風力発電システムのO&M(Operation&Maintenance)ノウハウとサービス体制、高いスキルをもった人材によって、風力発電システムの安定稼働に貢献します。

風力発電ソリューション/保守サービス

お客さまの課題

  • 稼働率を保証してほしい
  • 大きな故障を未然に防ぎたい
  • 運営リスクを下げたい
  • 安全意識の高い保守員に担当してほしい
  • 設備の復旧に時間がかかりすぎる

提供価値/導入効果

現場力と多様なニーズに合わせた保守契約

当社の保守サービスの強みは人の力「現場力」です。創業以来、主に電力・エネルギー、社会インフラ分野の保守メンテナンスのサービス事業に取り組んできた当社には、制御・運用技術(OT : Operational Technology)の豊富なノウハウがあります。また、お客さまの多様なニーズに合わせた長期包括保守契約であるEPK(ENERCON Partner Konzept)NIHONによって稼働率を保証し、風力発電事業の運営上で起こる課題やリスクを軽減します。

修理まで自社でカバーする安心感のあるサービス体制

茨城県日立市の本社にある遠隔監視・支援センタでは24時間365日の設備監視を行い、風力発電所のオペレーションを代行しています。全国各地にあるサービスセンタと連携し、設備の保守・運用に迅速に対応するとともに、風力発電システムの部品を保管しているパーツセンタの完備によって、保守部品の即納や早期復旧のための体制も整えています。風力発電システムの重要部分にトラブルが起こると、当社の全国のサービスセンタから保守員を派遣します。より詳細な調査を行う必要がある場合は、当社が所有するサービス工場での調査・修理が可能です。 

人財の育成による保守サービスの充実

当社では、茨城県日立市と秋田県能代市に風力発電システムの保守員を育成するためのトレーニングセンタを所有しています。茨城県にある日立トレーニングセンタは、日本において風力発電が普及し始めた2006年という早い時期に自社工場内に設置。座学はもちろん、故障時の対応シミュレーションや部品交換などの技術的トレーニング、高所からの避難や人命救助などの安全教育を行っています。安全意識の高い保守・点検員を育成し、サービスのさらなる充実を図っています。
日立トレーニングセンタ(茨城県)
訓練風景

点検業務の時間短縮と安全性向上を支援

風力発電設備に代表される高所での作業が必要な点検では、作業員の安全を確保しながらの工数削減が求められています。ただし、単に点検回数を減らしてしまうと、設備の安定稼働が保てない状況を招きかねません。これらを解決するために当社ではドローンとAIを活用。高所点検をドローンで実施し、そこで収集した画像をAIに取り込んで不具合箇所を特定していきます。また画像の分析結果と当社の知見を合わせることで、設備の適切な点検計画を立案。点検業務の時間短縮と安全性向上はもちろん、設備状態に合わせた点検計画による点検コストの適正化にも貢献します。

風力発電設備ブレードトータルサービス

風力発電設備の安定稼働を通して、脱炭素化をリード

お客さまの課題

  • 点検作業員の安全を確保したい
  • 点検にデジタル技術を活用したい
  • データを収集して効率的な点検・保守計画を立案したい

提供価値/導入効果

豊富な風力発電設備の保守で培った技術と知見を生かし、信頼性の高いブレードの点検・補修を提供

脱炭素社会の実現に向けて導入拡大が進む風力発電設備の安全性と安定稼働を確保するために、信頼性の高いブレードの点検・補修が求められています。このニーズに応えるために開発したのが、ドローンやAIのデジタル技術(IT*1)と当社の保守に関する知見および補修技術(OT*2)を組み合わせたサービスです。ブレードの点検から保守計画立案、補修までのサービスを、さまざまなメーカーの風力発電設備に提供します。

*1
IT : Information Technology
*2
OT : Operational Technology

①ドローンの自動飛行ルートの設定
②ブレード点検結果の確認・判定
③保守計画の検討・立案

食品廃棄物や森林の間伐材などのバイオマスを活用した発電システム

2018年7月3日に経済産業省が発表した「第5次エネルギー基本計画」のもと、2030年のエネルギーの姿を示した「エネルギーミックス」では、再生可能エネルギーの電源構成比率は22~24%を目標とした取り組みが行われています。同じように省エネルギーの実質エネルギー効率については35%減が目標として掲げられています*1。「エネルギーミックス」の確実な実現が求められているなか、当社は「ガスコージェネレーションシステム」の導入によって、この目標達成に貢献していきます。

ガスコージェネレーションシステム

当社は豊富な経験と実績を通じ、メタン発酵ガスと間伐材などの木材をガス化した非天然ガス(再生可能エネルギー)を利用したガスコージェネレーションシステムの積極的な導入に取り組んでいます。

従来、廃棄処分されていた食品ざんさや生ごみなどをメタン発酵する際の過程で発生するメタンガス、また下水処理場の汚泥を減容する際に発生する消化ガスを燃料としたガスエンジンによる発電。

間伐材や木くずなどの木材をガス化した非天然ガスを燃料とした発電。特に木材を材料とした発電は、林業や地域の活性化にも貢献できるものとして計画されています。

お客さまの課題

  • 飲料・食品工場の廃棄物処理で発生するメタン発酵ガスは蒸気ボイラの燃料として利用し、プロセス蒸気として活用しているが、余剰ガスが発生しており、有効的な活用方法を検討したい。
  • 林業で発生する間伐材を利用した木質バイオ事業を検討しているが、蒸気タービン(直燃方式)での発電は規模が大きすぎて見合った間伐材が集まらず、事業が推進できないので他の方法を検討したい。

提供価値/導入効果

余剰ガスの有効活用とエネルギーコストの低減をサポート

ガスコージェネレーションシステムを導入することで、余剰ガスから発電だけではなく排熱も回収できます。回収した熱は、蒸気や温水として活用できるため、省エネルギーや、CO2削減にも貢献できます。また当社のシステムは、メタン発酵ガスの発生量が少ない場合に都市ガスと混焼することで、定格発電出力を維持することが可能です。これによって、契約電力低減にも貢献できます。

小中規模の発電を実現し新規ビジネスの事業化に貢献

間伐材をガス化し、ガスコージェネレーションシステムの燃料として使用することによって、小中規模の発電が可能です。発電効率の高い装置を採用することで、固定価格買取制度 FIT(Feed-in Tariff)による売電収入の増加も見込め、新たな雇用機会や経済活動の創出も支援します。また、回収した排熱を有効利用することでさらなるCO2削減、新規ビジネスの事業化に寄与します。

再生可能エネルギーの地産地消を実現

日本では、太陽光・風力発電などの再生可能エネルギーの大量導入が進んでいます。そのようななかで、電力系統への負担を低減しつつ地震や台風などの自然災害に対するレジリエンスを高める、地産地消型の分散型電源の導入が進んでいます。本設備は、各地域の特性に応じた再生可能エネルギーで生産された電気・熱を地域で活用することで、持続可能な地域経済共生圏を形成し、地域の活性化を行う起爆剤として期待を集めています。当社では、風力・太陽光発電システムやガスコージェネレーションシステム、蓄電池、エネルギー管理システム(EMS : Energy Management System)などの導入実績で蓄積した、再生可能エネルギーの新たな活用技術を駆使し、地域の特性に適したマイクログリッドを提案。事業化計画の段階から補助金の申請、設備導入、運用・保守までお客さまの事業をトータルで支えます。

再生可能エネルギーの地産地消を実現した「コンパクトグリッド」による地域新電力

太陽光発電ソリューション

蓄電池システムサービス

地域エネルギー会社の事業創出

お客さまの課題

  • 電力料金を抑えたい
  • 二酸化炭素(CO2)排出量を削減したい
  • 人口の流出を抑え、雇用機会を拡大したい
  • 地域内でエネルギーコストを循環させたい
  • 事業化のためのシステム構築・運用のノウハウがない

提供価値/導入効果

電力料金の抑制と二酸化炭素(CO2)排出量削減を実現

風力・太陽光発電設備の導入で、再生可能エネルギーによる電力を地域に供給することができ、電力料金の抑制と二酸化炭素(CO2)排出量の削減を可能にします。再生可能エネルギーは、発電量が風速や日射量などの天候条件に左右されるため、出力変動が大きくなる電源ですが、当社ではEMSや蓄電池を活用することで、この課題を解決。需要家の電力需要量に応じた効率的なエネルギー調整を可能にします。

雇用機会を生み出すことで経済循環の創出を実現し、地域を活性化

地域新電力(地域の自治体と企業が参画した事業者)による事業創出が行われることで、事業を通して発生する運営費用や固定資産税などの税収が地域に還元され、雇用の創出に貢献します。また災害発生時、地域の皆さまのライフラインに対する不安を払しょくできるよう、避難施設や防災拠点への電力供給支援のための環境整備にも注力しています。

事業の計画立案から運用・保守、運営支援までをトータルでサポート

地域新電力として事業を始めたいと考えても、当初の手続きやシステム構築・運用のノウハウに不安をお持ちの方は多いでしょう。当社では、協創を通したこれまでの経験をもとに、事業の立案から運営支援までを細やかにサポートしていきます。

ハイブリッド蓄電池システムの導入によって
電力系統の安定化に貢献

再生可能エネルギーは発電量が天候に左右されるため、安定して電力を供給するためには蓄電池の活用が必要です。当社は、蓄電池を活用したハイブリッドシステムに早くから着手し、再生可能エネルギーの安定電源化を推進してきました。国内では、地域や企業の電源としてライフラインの確保やBCP対策に貢献、海外では大規模ハイブリッド蓄電池システムを構築し、電力の需給制御を行うなど、電力系統の安定化を支援し、脱炭素社会の実現に向けて広く取り組んでいます。

蓄電池システムサービス

提供 : EWE AG、
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

お客さまの課題

  • 再生可能エネルギーの大量導入が進んでも、電力系統の安定を確保したい
  • 蓄電池による制御を長時間継続したい

提供価値/導入効果

大規模ハイブリッド蓄電池システム

ドイツ連邦共和国では、再生可能エネルギーの導入に伴なって、安定した電力供給を行ってきた火力発電の役割を代替する技術へのニーズが高まっています。これに対し当社は、2020年2月までニーダーザクセン州で実施された大規模ハイブリッド蓄電池システムの実証運転において、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託先の一社として参加。電力系統からの需給バランス情報を解析、蓄電池の充電・放電を制御するシステムを担当し、電力の需給バランスの調整を行いました。これは、再生可能エネルギーの導入が進んだ国でも技術的なサポートが行えることの証明にもなりました。

蓄電池の出力と制御の最適化を実現

ドイツ連邦共和国での実証期間中、数週間にわたる需給調整力の供給契約を行い、その間は、常に蓄電池の充放電による電力安定化を継続することが求められました。これに対し、当社の系統情報制御システムは、リチウムイオン電池とNAS*電池の2種類の電池の残量管理と出力制御を行い、継続的な電力供給を実現しました。
  • * 「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標です。