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Hitachi

再生可能エネルギーを軸とした発電ソリューション事業の推進

パリ協定がめざす脱炭素社会に取り組む方針を受け、再生可能エネルギーの普及が世界的に目覚ましく進んでいます。当社は、再生可能エネルギーの拡大と、エネルギーの地産地消に貢献すべく、風力、太陽光、バイオガス発電システム、蓄電池システムなどの導入に取り組んでいます。風力発電では、地点開発、発電設備のリパワリングやリプレースなどにも注力しています。2018年度は、新たに自家消費型太陽光発電設備高効率化システム*1や太陽光発電協調型風力発電システム*2、お客さまとの協創で価値の創出をめざす地域エネルギー供給などの発電ソリューション事業を推進していきます。
これらの社会環境負荷の低減につながる新しい取り組みは、国連の持続可能な開発目標SDGs*3達成にも貢献するものです。

*1
自家消費型太陽光発電設備高効率化システム:自家消費型太陽光発電設備と空調などの負荷設備を自動制御機能付きのエネルギーマネジメントシステムで制御し、年間電力使用量の削減に貢献する高効率化システム
*2
太陽光発電協調型風力発電システム:既設太陽光発電所の連系枠内に風力発電設備を追設して太陽光と風力の合成発電出力で既存の連系枠を有効活用する発電システム
*3
SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)

高付加価値サービス事業の強化・拡大

あらゆる人が生き生きと快適に暮らせる人間中心の社会「Society 5.0」は、AIやIoTなどの革新的な科学技術を用いて、社会のさまざまなデータを活用することで経済の発展と社会課題の解決の両立をめざしています。
当社は、予兆診断システム「HiPAMPS」*に余寿命予測機能を装備した「HiPAMPS-PRO」の提供やビッグデータを用いた顧客協創など、サービス事業の強化・拡大に取り組んでいます。2018年度は、(株)日立製作所が開発した構造化情報一元管理技術を用いて、機器データと経験や知識(ナレッジ)を相関付けて、保守対応時の迅速な意思決定や効率的な保守計画に貢献する「ナレッジベース保守支援ソリューション」の提供を進めていきます。
このソリューションによって、お客さまに高付加価値サービスを提供し、「Society 5.0」の実現に貢献します。

*
予兆診断システム「HiPAMPS」:日立のIoTプラットホーム「Lumada」を支えるソリューションの一つ

プロダクト事業の強化

当社は、事業用発電設備・機器や鉄鋼、新素材加工機器、工業用マグネトロン、超音波映像装置、リチウムイオン電池製造設備などのプロダクトを製造しており、事業の創出を支える基盤となっています。
プロダクトの信頼性と経済性を高める取り組みを継続・強化していきます。
これを実現するためには、プロダクトの設計・製造を支えるエンジニア育成が重要であるため、社内競技会の開催や社外技能競技会(技能五輪含む)への参加を積極的に推進していきます。
また、グローバル・ニッチ製品*の拡大に挑戦していきます。

*
グローバル・ニッチ製品:工業用マグネトロン、電子部品用セラミックス、超音波映像装置、リチウムイオン電池製造設備など

グローバル市場への挑戦

当社は、ビジネスの市場をグローバルへと広げていくため、さまざまな取り組みを行っています。
発電ソリューション事業では、NEDO*1の委託を受け「大規模ハイブリッド蓄電池システム」実証実験*2に継続して参画し、電力系統の安定化と新しい電力取引事業のビジネスモデル確立をめざしています。
高付加価値サービスでは、オープンイノベーションによってCassantec社(スイス連邦)の技術を導入した予兆診断システム「HiPAMPS-PRO」の提供を開始し、EU市場で生産設備や発電設備の予兆・予測診断サービスの展開を始めています。
プロダクト事業では、海外EMS*3化を推進し、競争力の強化を図っています。

*1
NEDO:New Energy and Industrial Technology Development Organization
新エネルギー・産業技術総合開発機構の略称
*2
「大規模ハイブリッド蓄電池システム」実証実験:2017年からドイツ連邦共和国ニーダ―ザクセン州で行われている実証実験
*3
EMS:Electronics Manufacturing Service(電子機器受託生産サービス)