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Hitachi

機器情報や運用ノウハウをデータ化して
上水道設備の安定した維持管理を実現

柳井電機工業株式会社 様

暮らしや社会に不可欠なインフラの一つである上水道設備。その維持管理を行う技術者の高齢化が進み、早急な技術継承が求められています。大分市に本社を構え、社会インフラやプラントの運転管理・維持管理を担う柳井電機工業株式会社では、ベテラン技術者のノウハウのデータ化を模索する中で、日立パワーソリューションズの「ナレッジベース構築技術」と出会い、取り組みが大きく前進。地域への貢献という使命を果たしつつ、自治体の水道事業を広域的に維持管理できるよう、システム構築のさらなる充実をめざしています。

課題

  • ベテラン技術者の高齢化に伴って技術継承が急がれていたが、なかなか進まなかった。
  • 機器や設備の老朽化が進むほどに、作業にあたった技術者でなければ分からないことが増えていった。
  • 業務の属人化によって特定の技術者に作業が集中し、24時間365日対応しなければならない状況が生まれていた。

プロジェクトの経緯

ベテラン技術者のノウハウをデータ化する難しさと突破口

柳井電機工業では、自治体からの委託を受け、上水道設備の運転管理・維持管理を行っています。断水や漏水が起こらないよう、地域内のおよそ300施設を管理していますが、マニュアルがないことが多く、そのノウハウは技術者の頭の中に閉じ込められていると言います。柳井電機工業で水道事業の維持管理に関する営業を担当し、事業発展のために設立したグループ会社、ティールファシリティーズ株式会社 代表取締役社長の原田氏が説明します。

「ベテラン技術者の方が定年退職する年齢を迎え、早急に技術を継承しないと、貴重なノウハウが活用できなくなる状況でした。地域や施設に固有のノウハウは、平常時に聞き出そう、書き出してもらおうと思っても、なかなか出てきません。トラブルが起きたときに教えてもらったり、現場の制御盤に鉛筆でメモ書きしてあったり。体系的にまとめることが困難で、早くしなければという危機感がありました」また、全国の市町村にも当てはまる過疎化の進む地域性も、危機感に拍車をかけました。

原田氏が続けます。
「老朽化した設備を一新してしまえば、運転管理はとてもやりやすいのですが、人口が減少し、収益性の低い地域で設備投資はできません。つまり、機器を修繕しながら長く使っていくことが前提となるため、経年に比例して管理ノウハウが積み重なっていきます。ノウハウをデータ化して継承していくことは喫緊の課題でした」

柳井電機工業の水事業推進グループが技術継承の課題に直面していた状況下、ハノーバメッセ2018で日立パワーソリューションズとの出会いがありました。ブースで「ナレッジベース構築技術」の話を聞いたとき、「ワクワクするような可能性を感じました。目的と達成への手法が明確で、すんなり受け入れやすかった。私たちの課題とナレッジベースという考え方がひも付いて、導入のイメージが湧きましたね」と原田氏。こうして、保守業務変革のためのプロジェクトが始まりました。

ティールファシリティーズ株式会社(柳井電機工業株式会社のグループ会社)
代表取締役社長
原田 正和
(はらだ まさかず) 氏