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Hitachi

クリーンセンターの運転管理業務を
タブレット点検システムを使って高度化

テスコ株式会社 様

私たちの快適な暮らしを支え、サステナブルな社会実現の一翼を担うクリーンセンター(以下、ごみ処理施設)。全国の自治体から、多数のごみ処理施設の運転管理を受託するテスコ株式会社では、点検業務の品質向上や効率化をめざしてDX*を推進しています。日立パワーソリューションズは、自社の保守ノウハウを基にお客さまの設備稼働の最適化を支援する保守支援ソリューション「サイトリミックス」をカスタマイズして、業務環境に適したソリューションを提供。協創パートナーとして事業者さまのさらなる成長をサポートしていきます。

*
DX:Digital transformation

課題

  • 目視と手書きによる点検業務では、記録ミスや設備の不具合の見落としが防げず、デジタル化の必要性が高まっていた。
  • 紙の点検表では、継続的なデータの変化が捉えにくく、予防保全につなげることが難しかった。
  • 施設は点検のための改造ができないため、運転管理を請け負う事業者の業務効率化・品質向上の障壁となっていた。

プロジェクトの経緯

事業の今後を見据え、点検業務のデジタル化を急ぐ

東京都千代田区に本社を構えるテスコ株式会社の環境事業部では、全国各地のごみ処理・水処理施設の運転管理を担っています。今回はサイトリミックスを導入したごみ処理施設について、なぜデジタル化が必要だったのかを発端に、話を伺いました。施設の安定稼働を確保するために、日々の運転管理がどう行われているのか、環境事業部 技術統括部 技術開発室 主任の大内氏が紹介します。
「焼却炉など重要設備の運転データは分散制御システム(DCS:Distributed Control System)にて管理・蓄積されていますが、その対象とならない個々の設備やモータのデータは、運転員が徒歩で施設を巡回しながら点検し、紙の点検表にまとめていました。読み取るメーターの数は温度計だけでも80台ほどあり、チェック項目はA4用紙9枚にびっしりと並んでいます。これを1日2回、7階建てのビルに相当する施設内を2人で分担して回りながら手書きで記載します。この日々の点検表はきちんと保管していますが、どのようにきちんと保管しても、紙のままでは予防保全などの先の活用がしづらいと感じていました。設備に不具合が起こった場合も点検表をパラパラとめくって見直していましたので、素早く原因にたどり着くことができませんでした」

ほかにも、人手不足や点検ノウハウの伝承といった問題点も浮き彫りになっていたそうです。諸問題の改善策としてデジタル化を決断したと、プロジェクト発足当時、環境事業部に籍を置いていたエンジニアリング事業部 D&Aテクノロジーセンター 参事の飯島氏は語ります。
「データをデジタル化して課題を解決し、さらには予防保全といった効果的な次のステージにつなげることは、企業として取り組むべきことと判断しました。ただし、点検のために設備を改造することは許可されていません。サイトリミックスのタブレット点検システムは、設備の改造を伴いませんので、当社のように運転管理を主とする事業者にとって、高度かつ高品質な保守・点検の実現、さらにはビジネスの可能性を広げるツールだと思います」

発電所をはじめ多くのプラントでの保守実績を持つ日立パワーソリューションズは、豊富な知見と斬新なアイデアで、本プロジェクトをともに推進しました。

テスコ株式会社
エンジニアリング事業部 D&Aテクノロジーセンター
参事
飯島 厚
(いいじま あつし) 氏