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Hitachi

25工場での生産設備の予備品管理を
サイトリミックスで適正化

株式会社 明治 様

製造業において重要な役割を担う生産設備の管理。安全・安心で健康価値にこだわった食品を長年にわたって製造・販売する株式会社明治では、生産効率の向上と設備補修にかかるコスト最適化という課題を解決すべく、さまざまな取り組みを行ってきました。自社に適したシステムの模索を続ける中、日立パワーソリューションズの保守支援ソリューション「サイトリミックス」の部品管理システムに着目。25の自社工場(グループ会社は除く)への導入を通して、この取り組みが大きく前進しました。今後に向け、より精度の高い部品管理を追求するとともに、保全管理のメインシステムとして活用することをめざし、さらなる改善のための仕組みづくりを進めています。

課題

  • 各工場で個別に管理していた在庫部品を共有化・適正化するためのプラットフォームが必要だった。
  • ダウンタイム削減を目的とした部品の抱え込みで、在庫部品が大きなコストとなっていた。
  • 将来にわたって安心してシステムを使い続けるために、実績と信頼のあるパートナーを探していた。

プロジェクトの経緯

急がれる予備品管理の一元化、進まないシステムの構築

お菓子や乳製品、乳児・幼児用商品、スポーツ栄養、美容・健康、高齢者向け商品など、明治では多分野のさまざまな商品が、自社の25工場を中心につくられています。製造現場では設備管理に課題があったことを、設備環境グループの花村氏が指摘します。「以前は工場ごとに個別最適で部品管理していましたが、一覧表を使って管理しているところもあれば、部品がなくなってから都度補充するところなど、管理レベルにバラツキがありました。こうした個別最適では余剰な在庫部品を抱え込みがちです。生産効率の向上を追求する時代にあっては、一元管理による固定費削減は喫緊の課題でした」多機能な汎用のパッケージソフトの導入を試みるなど、システムの構築に取り組みましたが、そこにはいくつもの障壁がありました。花村氏が続けます。「部品リストを全工場で共有して一元管理を試みましたが、検索に手間がかかる、フリーズするといった問題があり、管理のレベル向上には至りませんでした」

そもそも、工場の部品管理はなぜ必要なのでしょうか。設備環境グループ長の小松氏が説明します。「経営的に見ると、在庫を減らすことが鉄則です。設備のダウンタイムを削減するためとはいえ在庫部品を膨大に抱え込まなくてもいいように、本社と全工場のプラットフォームを構築し、適切なシステム化を早急に推進しなければなりませんでした」ところが新型コロナウイルス感染症の拡大が社会に大きく影響を及ぼし、システム化の検討も一時中断せざるを得なくなりました。その後、ESG経営への社会的要請の高まりを受け、社内での取り組みの一環として、2021年、プロジェクトは再開されました。花村氏は運用当初を振り返り、「部品の管理方法が変わることに対して、工場からは反発の声もありました。オンラインでつないで使い方を説明したり、個別で電話対応したりと、全員にご理解いただくまでは大変でしたが、今では各工場で取り組みが進み、適正在庫や余分な部品を購入しないといった積極的な行動につながっています」と語ります。現場で役立つシステムは、デスクの上だけでつくることはできません。

「工場勤務を経験して現場側の苦労を知り、管理側で知恵を絞る際にその経験を生かせた花村がいてこそ実現できた大きな成果です。工場からのさまざまな意見を吸い上げ、取りまとめ、日立パワーさんにしっかりつないだ彼は、プロジェクトのキーマンです」と小松氏は言います。

数多くの運用実績を持つ日立パワーをパートナーに選択

システム構築のためのパートナー選定においては、日立パワーソリューションズの一択で迷いはなかったそうです。「将来的なDXへのデータ接続に対して技術対応できること、多くの運用実績を持つ練度のあるシステムであること、当社に必要なカスタマイズに柔軟に対応できること、将来にわたって適切なコストで運用・管理できることを選定条件にすると、日立パワーさんのほかには考えられませんでした。ずっと使い続けるものですから、アフターフォローも含めて日立ブランドへの期待は大きいですね」と花村氏。サイトリミックスを軸に据え、明治の工場設備の部品管理プロジェクトがスタートしました。

株式会社 明治
ものづくり戦略本部 エンジニアリング部
設備環境グループ長
小松 傑
(こまつ すぐる) 氏