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Hitachi

予兆診断システム「HiPAMPS」の導入事例をご紹介します。

利用シーン

モデルレスな診断アルゴリズムであるため、機器・システムの稼働状態が大きく変動する場合でも、遷移した状態ごとにモデル構築やシミュレーションをする必要がありません。このアルゴリズムを応用して、以下のようなさまざまな場面で柔軟に活用することができます。

(1)故障予兆(機械学習法)

設備に問題はないか?いつ頃故障するのか?いつも不安

設備の故障前に予兆を検知することで、想定外の停止の回避やダウンタイムの短縮によって、稼働率向上に貢献

(2)品質管理(機械学習法)

不良品発生時はいつもと何が異なるのか?知りたい

不良品発生の検出および原因を特定することで半製品の段階での品質管理によって仕損費低減に貢献

(3)メンテナンス費削減(機械学習法)

TBM(Time-based MaintenanceからCBM(Condition-based Maintenance)へ移行したい

時間基準の定期点検(TBM)は、点検項目で定められた部品をすべて交換するが、状態基準(CBM)に移行することで設備が不具合を知らせたときに点検、部品を交換するため保守費用の削減に貢献

(4)分類推定(推定法)

生産品の検査を熟練者の感覚に頼るのではなく、定量化したい

特徴量データから生産品をAIで自動分類することで、検査員の人数削減、品質の定量化に貢献

導入事例

設備の継続的な安定稼働と保守コストの削減に有効なのが予兆診断技術です。当社では、長年にわたる保守サービスで培ったOTとITのノウハウを融合した予兆診断ソリューションで、お客さまのビジネスを支援します。適切なタイミングでの点検による保守コストの削減と、設備破損や長期停止といった重大事故の回避によって、お客さま設備の安定稼働と生産効率の向上を実現します。

導入事例1:発電設備

発電設備を所有しているお客さまにおいては、想定外停止が起きた場合、事業に影響を及ぼすことはもちろん、復旧の際の高価な部品費のほか、多くの保守エンジニアが動き、さらには停止分の電力購入費など多大なコストが発生するという課題がありました。

予兆診断システム「HiPAMPS」導入後は、各設備に設置された温度・圧力・回転速度などセンサデータを収集・解析することによって、適切なタイミングでの保守や部品交換で想定外の停止を回避し、ダウンタイムを短縮、稼働率を向上。保守作業や設備停止分の電力購入費などの仕損費も低減することができました。また、部品の品質向上などさまざまな改善と予兆診断によって、故障発生率を約45%(2013年度当社比)低減しました。

導入事例2:生産設備

製造業のお客さまにおいて、生産設備の故障は生産計画に直接影響します。そのため、予防保全としての日々の設備巡回点検による業務負担や、メーカー推奨の定期点検(TBM:Time-based Maintenance)などの保守費用の増加が課題となっていました。

予兆診断システム「HiPAMPS」導入後は、設備の状態に応じて適切な保全を行う状態監視保全(CBM:Condition-based Maintenance)に移行することによって、適切なタイミングでの不具合箇所への対応、部品交換が可能となり、保守メンテナンスサイクルが最適化され、保守費用の削減を実現しました。
また、メンテナンス業務の効率化(巡回監視時間の削減など)によって、さらなる費用削減も可能になり、長期的には約30%*の費用削減が期待できます。

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数値は、当社での運用・適用実績などに基づく効果試算用の設定値および結果の値です。